レフトアローン

藤崎慎吾の作品は初めてですが、期待以上に楽しめた作品でした。帯に書いてある「『象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)』に並ぶ傑作短篇集」という煽りは、誇張では無いですね。(『老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))』も挙げられているのですが、こちらは未読なので言及できず)
この作品の中では、「AI」や宇宙適応の為に異形の進化をした人類「コスモノーティス」、さらには彗星由来の岩石に至るまで、みんな人間臭く描かれています。それぞれが形は異なっても「生命」で、みんな一人じゃ寂しい。ネットワークで仲間と繋がって、欲求に突き動かされて生きています。なんかね、ステキ。SFを読みつけない人にも、ぜひ読んで欲しいです(ハヤカワ文庫を紹介する度、毎度同じ事を言ってる気もしますが・・・)
収録作の一遍「猫の天使」、猫好きは必ず読むように。猫の視覚を外部アクセスする話なので、あまり猫さん自体の描写は多くないです。ただ「猫には世界がどう映っているのか?」という想像力が膨らみます。

レフト・アローン (ハヤカワ文庫JA)

レフト・アローン (ハヤカワ文庫JA)