クローズド・ノート

「携帯サイト連載小説」なので、文章に癖があるのかも?と思って読み始めましたが、まったく違和感を感じませんでした。変なフィルターで拒絶しなくて良かった良かった。
全体の構成としては、所謂「仕掛け」の部分は簡単に解けてしまうし(というか、読者に「中の人」より先に看破してもらおう、という意図があったのでしょう)、登場人物への共感も今一歩の感。人物そのものの造形も、キーとなる一人以外は浅い感じが(これも計算かもしれないけど)。作品世界へ読者を引き込む力も、そこまで優れたものでは無いと感じました。
「しかし」「だが」「それでも」「けれども」。どんなに逆説の接続語を重ねても足りません。この作品の価値は、今まで言った事だけでは、とうてい語れないのです。最後の1章、一つの手紙。この一点において、私はこの作品を高く評価します。こればっかりは、読んで貰うより他は無い。この「最後の手紙」を、ぜひ多くの人に読んで欲しいと思います。久々に、小説読んで泣きました。最後だけ何度も読み返してる俺ガイル。

クローズド・ノート

クローズド・ノート