au夏モデルが発表になったお。

今回のフラッグシップモデルは電子書籍特化端末“biblio”みたい。


3.5インチフルワイドVGAだから、iPhoneとほぼ同じ画面サイズで解像度はグッと高い。T-01Aで漫画を1ページ表示したら吹き出しのセリフも普通に読めたけど、こちらはさてどうでしょう。ギリギリっぽいかな。逆にコマ切り出しタイプのケータイコミックはアレかもしれない。まぁでも、スマートフォンiPhone以外の選択肢で「書籍を快適に閲覧できる」ってコンセプトのが一機種くらいあっても良いですよね。
厚さはほぼアドエスと同じですか。いわゆる鈍器。自分はアドエスをポケットに入れるのが耐え難い人なんですが、はたしてこの端末はどうでしょうか。
個人的に気になるのが、搭載フォントについて。紙の本には様々なフォントが用いられていて、文庫のレーベル毎に異なる味わいが醸し出されていたりする訳です。ところが電子デバイスとなると、フォントというものにそこまで気を遣ったものがあまり見当たらない。今回の端末についても、ざっと公式を見た限りフォントについて言及されている気配がありません。
かつてのシャープ製PDA・SLザウルスには「LCフォント」という液晶で見やすいフォントが搭載されていて、これはWindows用にも移植されて今でも人気だったりします。でもこれはあくまで「システムやWeb閲覧での見やすさ」を追求したものであって、文字作品を「読む」事を追求したものじゃない。メールと携帯小説ネイティブな方々はどうか知りませんが、少なくとも自分は「小説は明朝系フォントじゃなきゃ読めない」人です。もちろんフォントを作るのには途方も無いコストがかかりますが、本気で「電子書籍の為の端末」と銘打つなら、そこには最大限気を遣って欲しいと思います。AmazonKindleのように「デバイスとサービスの革新性」で普及を推し進めるのも勿論素敵な事ですが、一方でこういう細かい所にコストをかける事も将来を見据えた時に大切でしょう。逆に言えば、そういう細かいことの積み重ねによって、黒船サービスに対抗し得るのかもしれないとさえ思ったり。
その辺やっぱり商売なので、先ずはこのコンセプトの端末の需要が証明される事、そしてフォントに関する顧客の要望が事業者へ届くことが必要な訳ですが。さてさて、上手いことその辺が回っていくでしょうか?