コピーフェイスとカウンターガール

コピーフェイスとカウンターガール (ガガガ文庫)

コピーフェイスとカウンターガール (ガガガ文庫)

自由奔放天真爛漫な天体観測部の先輩、早川早苗に振り回される高校生活を送っていた平良良平。先輩が卒業し解放されたと思ったら、今度は部員減少で廃部の危機に……。そんな天体観測部にやってきた新入生は、容姿がそっくりな早苗の妹、早希。気難しい質の早希だったが、良平と言葉を交わすうちに次第にその心を開いてゆく。そんな夏のある日。部活の帰りに平良平子と名乗る親戚に連れ去られた良平は、言われるがまま親族会議に参加することになる。そこで見たのは……!?
第2回小学館ライトノベル大賞・佳作受賞作!

オモシロそうなSF設定を盛り込んでおきながら一切生かさず、ひたすら甘酸っぱい青春の1ページを軽妙に書き綴った佳作。いんや物凄い佳作感だ。佳作の国から佳作を布教しに来たような佳作だ。
この作家、恐らくは皮膚のレベルで「非モテ」を理解していると見た。にも関わらず、ここまでキレイにまとめた話を描くとは如何なる了見か? まさか天然だの願望だのという事は無いだろう。書き手の底知れない怨念と悪意を感じざるを得ない。
軽妙な文章とキャラクターの作り方は個人的にかなり気に入った事もあり、また上記のテーマについて今後どういったスタンスを見せるかも併せ、今後も注目せざるを得ない。この作家が作る純粋なSF定食があるなら、そちらもぜひ食してみたいものだが・・・・・・
最後に一つだけ言わせてください。
非モテに天から女の子が降ってくる話はもうヤメテ! 僕たちの魂ゲージはとっくの昔にゼロよ!!