黒水村

読了。ネタバレあるかも注意。エラそうなの注意。

黒水村 (一迅社文庫)

黒水村 (一迅社文庫)

先ず予言するが、コレは映像化される。たぶん実写映画で。
映像化原作に必要な条件は様々だと思うが、この作品の要素は実に映画向き。

  • 明快なストーリー/キャラクター設定
    • ビッチ/DQNアキバ系/ピザ/百合美少女/面堂終太郎
    • 100%気付く伏線の表現
  • 起承転結の明確化と、各々の尺
  • 映像的に見栄えのする設定
  • 直接的な恐怖の表現
  • 高校生+ガンバトル+オチ恋愛沙汰

これら要素は残念ながら「小説として」の評価に必ずしも結びつかない。筆運びのおかげで「それなりに」面白くサクサクと読み進める事は出来るが、読者を驚愕させる急展開も無いし、背筋を凍りつかせる恐怖も描かない。もちろん、SF的な設定の妙などある筈が無い。
設定・構成を見れば、いくらでも凝ったホラーを作り出せるように思われる。読んでいても、決して作者自身の力量不足は窺わせない。では何故、この程度の作品に収めたのか?
昨今、書籍原作のドラマや映画が大変多いらしい。そして映像化されると、ケタ違いの金が動くとか。それならば、小説としての高い評価よりも映像化の可能性に重きを置くというスタンスはアリだろうし、執筆前段階から映像化前提の企画として動くことも有り得るのではないだろうか。


#こう考えると、登場する銃がなぜベレッタ(M92)なのか? とかも納得できたり
##同じ設定で(もちろん細部はキッチリ詰めて)ガチホラー小説書いてくれたら絶対買うけどナァ