鴨川ホルモー

京都を舞台に大学生がおバカな青春。雰囲気やノリが自分らの学生時代みたいで懐かしい感じ。特に著者の笑いのセンスはズバ抜けている。2〜3回大爆笑してしまった。この辺は好みによると思うけど。
「ホルモー」という題材は秀逸。もっと深く描写を行ってタクティクスコンバットモノとして完成度を高める事は可能だろうけど、それやっちゃうと一部の歴史・軍事好きにはウケるが一般的評価が難しくなってしまう。計算された手抜きぶりは商業的に正解だし、作品全体のバランスという面でも正しいのでしょう。
難点を言うなら、青春小説として「恋」の描き方が浅すぎる所か。キャラの作り方があざといし、展開もご都合主義臭い。これなんてエロゲ?っつーかエロゲだってもう少し工夫があるぜ。って思うのは俺の心が真っ黒いからかもしれんけど。
娯楽作品としてかなり面白い部類に入ると思うので、ぜひ広く読んで欲しい本です。「本の雑誌」で上位ランクだったので、マイナー版元の割には多くの本屋さんで売ってますのでヨロシク。

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー