獣たちの夜

長らく読む機会を逸していましたが、ようやく読了。
ヒトVSヴァンパイアの闘争であり、学生運動に身を投じる高校生の青春物語・・・なのですが、もうそんなのどうでも良いよ。押井節全開。押井の全共闘への思いとか、「ヒト」や「ドウブツ」に体する考え方が例の衒学的語りで繰り広げられます。アニメの「Blood」見た事がないのでアレですけど、たぶんアニメのファンがアニメ的なモノ(美少女剣士がうんたらかんたら)を求めて手に取ると、1分後には窓から投げ捨てられそうな予感。どうりで「Bloodコーナー」で全然売れない訳だ。
と言う訳で押井守ファン以外にはオススメしません。押井ファンは必ず読め・・・って言われるまでもなく大概は読んでると思いますが。それにしてもこの人、キャラの作り方が同じって言うか・・・後藤隊長とメガネはそのまんまですな。セリフとか引用する格言、舞台描写が「イノセンス」と全く同じ部分があって驚いた。ワザとやってんのかな・・・押井流のファンサービスなんだろか。
全共闘について書かれたモノを読むと、この作品に限らず当時の高校生・大学生はスンゲー難しい理屈を捏ねて、とっつきにくい思想の本を読んでますよね。割と大勢の学生が運動に参加していたみたいだし、当時の学生は頭良いヤツが多かったのか。俺とか絶対参加できねー。「ヲタク的人種が(アニメとか無いから)学生運動に熱意を向けた」結果(神懸かり的な集中力を発揮)なのかと不謹慎な事を想像してみる。