論理で人をだます法

ちょっと前にid:urininさんの所で、テレ朝の「下北サンデーズ」に関するこんな引用を読みました。

劇中、上戸彩(里中ゆいか)が古田新太(オーナー・下馬伸朗)に対して、
下北サンデーズの劇団員は、それぞれ真っ当な仕事に就いていれば、一生の内に1億円程余計に稼ぐことができる。
それを棄ててこの劇団に人生を捧げているということは、10人併せて10億円がこの舞台に投資されているということだ。』
といったような内容の猛抗議し、サンデーズの芝居の素晴らしさを訴える。その言葉に心を打たれた古田(下馬)はスタジオの使用を許可する。

んで、俺は単純なのでこれを読んだ時、「貧乏劇団員風情がデカイ口叩くな〜流石はドラマだな(プゲラ」とか思ったのですが、昨日トイレで踏んばってる時、ふと気付きました。これ、当り前の事を言ってるだけなんだね。
小さいブレイクしてない劇団員の収入が如何程か知りませんが、まあ金にならん事は確かでしょう。生活の為のバイト代も含むとして、年収300万としておきましょうか。
彼らが「真っ当な仕事」ってのに就いたとして、年収いくらになるか。これは一概に言えないですが、仮に600万としておきましょう。定年までの平均年収で考えるので、まぁ誇張とは言い難いでしょう。
さて、劇団やってる場合と真っ当な仕事に就いた場合の差額が、上の設定だと年300万。劇団に入ったのが20歳として、定年まで40年。単純計算で300万×40=1億2000万。ハイ、一億余計に稼ぎました。
「一生の内に1億」って言われると、俺みたいに単純な人は「ホントは凄いヤツラなんだぜ!」って言われた様に感じますが、冷静に計算するとこの結果です。言葉のインパクトに騙されてはイカ*1という例ですね。
この例は表現の問題だけで「嘘」は一切無いのですが、ちっちゃい嘘とか誤魔化しもアリにすると、似た感じで人を騙す方法は一杯あります。事実の一部を誇張したり、文型を弄ったり、さも当然のような推測を使ったり。そういうアブナイ方法を紹介してるのがこの本。勉強になるし、面白かったですよ。

論理で人をだます法

論理で人をだます法

*1:ドラマ見てないので、作中どういう文脈でどう捉えられたかは知りませんが