火星縦断

早川文庫の新刊『火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)』を読んでるのだけど、面白すぎて困る。SFを読んでると言うより、冒険小説を読んでる感覚。実際、火星の半分を横断する話なので、冒険なんだけど。
各場面を登場人物毎にザッピングして話を進めて、各々の章で火星のリアルタイムな話と火星へ来る前の回想を挟む形式は巧いと思う。これによって各人物の掘下げが出来てるし、比較的短い間に場面転換を挟むので、少し長い作品だけど冗長性が感じられない。
しかしリアルな作品だ。実際火星に行った事なんて無いし(←当たり前だ)、それどころか宇宙探査の知識もなければ、NASDAに見学へ出掛けた事さえ無いのだけど。それでもリアルだと感じるのは、筆者が現役のNASA研究員である事と、文章の巧さだろうなぁ。凄い人だ。
読了してないから何とも言えないけど、この作品、今年のSFランキングでかなり上位につけるのではないだろうか。平台1冊分、来年までこの作品はずっと置きますよ。そう言えば早川のwebで流した注文、返事が来てないなぁ。

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)