『告白』

町田康の『告白』を読了したので、一応レビューをやります。「レビュー」とか言いつつも、毎回感想文だったり妄想の吐露だったりと、人にモノを勧める立場としての文章を意識してないなぁと思ったり。あかんではないか。大体読み終わったのは一昨日なのに、暇な昨日にレビュー書かない時点で、アカンではないか。
この作品を読むにあたっては、難しい事は一切考えず、ひたすら「文体を楽しむ」ことに徹するのが良いかもしれない。そこまで言ってしまえるほど、明治初期の河内弁と現代の文体をミックスさせた町田康の文章はスゴイっす。小説を読んで「クスり」とすることはあっても、この作品のように「おほほほほほほ」と大爆笑してしまう作品は中々お目にかかれるもんでは無いと思います。まあこれに関しては、もう読んで頂く他は無いですね。ぶ厚い本なので取っ付きにくい印象があるかと思いますが、とりあえず本屋で適当なページを試し読みする事をオススメしてみます。気に入る人はトコトン気に入ると思われ。基本的にスゲェ下らなくて吃驚ですよ。
作品の感想なんですけどね。ここに「自らの内面を語る言葉を持たぬ男が云々」「世界と自分との壁と言う存在が云々」「現代の所謂ニートに云々」という事を書こうかとも思ったのですが、今ひとつ自分の中で整理出来てないと言うか、理解できて無いと言うか。要するに「町田が何を言いたかったのか、まだわからないッス」って事なんです。最後の最後、主人公・熊太郎の独白(「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」から「あかんかった」まで)を読み直すと、今まで感じていた事を根底から見直さねばならんかな、と。そういった「読み解き」をするには、もう2〜3度読まねばならんかなぁと思います。本屋大賞の選考が終わったら、ゆっくり腰を据えて再読しようかな。

告白

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