紅はくれなゐ

紅はくれなゐ (電撃文庫) 鷹羽 知 アスキーメディアワークス 2009-06-10 売り上げランキング : 9453 Amazonで詳しく見る by G-Tools

華やかな活況を見せる遊郭都市、吉原。街一番の妓楼・秋月楼の花魁『紅』は、そのおっとりとした優しさと美しい容貌で、高い人気を誇っていた。この吉原で、続けざまに殺しが起こる。被害者はいずれも遊女と国の高官。街に不穏な空気が漂いはじめたある日、正月の大行事“花魁道中”を控えた紅の元に、脅迫状が届く。彼女の身を案じた周囲は道中の中止を勧めるが、紅は行事の強行を決意する。そして花魁道中当日…。果たして、殺しを続けているのは誰なのか？　そして、その狙いは？　愛と憎しみの黒い渦に巻き込まれた、若く美しき花魁の行く末や如何に―。

「遊廓モノラノベ」という斬新かつキャッチーな企画。表紙イラストのお陰もあって店頭で目立ってますね。
独立武装自由都市・吉原の花魁を中心に繰り広げられる和風ファンタジー。ちょっとしたミステリー仕立てとテンポの良いストーリーが物語をkskさせます。後半ちょっとバタバタ気味になっちゃってますけどキニシナイ。脇キャラ含め、掘り下げると面白そうなので続編（あるのか？）に期待したいトコロ。

遊廓設定はあくまで「舞台」ってだけに止まってしまっているのが少し残念だったり。せっかくなら、遊女なればこその戦いとか、色欲と愛憎と策謀の入り交じったドロドロ展開とかやって欲しかった。そっち方面に力入れすぎると電撃文庫で出せなくなりそうだけど。

特筆すべきはイラスト担当・玉置勉強先生ですね。表紙以外の挿絵は基本的にあまりエロくないのですが……

“アセビの容貌はいつもの通りである。決して美しくは無いが、魅力的な体躯のせいか、纏った衣装がとても映えた。紗を重ねた布が灯を返して眩く光っている。薄い紗だ。重ねの薄い所から腹や腰の線が淡く見えていた”

どう見てもヤリすぎです本当にありがとうございました。小生の愚息も昇天です。