宇宙へ

biglobeの企業向け冊子で紹介されてた。

Mitaka は、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトで開発している、天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのソフトウェアです。地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、宇宙の様々な構造や天体の位置を見ることができます。


「♪デ〜イジ〜」「なんてこった!アレは月にあったプレートのビッグブラザーだ!」だのと、twitterに下らないpostをしつつ愉しむ予定だった。しかし、できなかった。
とりあえずインストールしたら、チュートリアルに従って操作を習得して欲しい。次に、土星へ飛び立とう。もしかすると、僕の感じたことを理解して貰えるかもしれない。
地球を飛び出して土星へ向かう途上、僕の心は躍り上がっていた。なんて事だ、コイツは出来が良すぎる。本当に宇宙を飛んでいるようだと。だが、衛星軌道を越えて土星に近づいたあたりから、感情に変化が生じた。デカすぎる。圧倒的にデカすぎる。視界いっぱいに広がる土星を目にした時に感じたのは、純粋な恐怖だった。
これは単なるシミュレーションで、いくら土星に近づこうが、よしんば土星の軌道に囚われて抜け出せないような事態になろうとも、自分は痛くも痒くもないハズだ。そういう「バーチャルな危機」なんて、ゲーム世代の自分には慣れっ子なのだから。だが実際には、そういう理屈は一切の機能を果たさなかった。そこにあったのは、本能的な恐怖だ。
同じ事は、太陽系を離れて銀河を俯瞰している時にも感じた。そこがオールトの雲だろうがアルファ・ケンタウリだろうが銀河系外だろうが、およそ人類のスケールからは外れた地点にある。どこにいようとも、もはや故郷は遠く離れた世界に違いない。にも関わらず、スケールを拡大して銀河から離れれば離れるほど、感情はそれを拒絶した。
「これ以上離れてはいけない」
嘘だと思うだろう。俺は自由に宇宙を飛んで存分に愉しんでやる、そう思うだろう。ならば、試してみるが良い。