ドンピシャ

死ぬだろうなぁと思ったのです。
朝の駅の話です。会社迄の道のりに立ち塞がる者は全て排除する。否、そんなモノは存在しないかの如く前進する。鋼の魂と鉄の脚を兼ね備えた古参兵。全ての感情を抑圧し、只定められた航路を征く突撃艦隊。
そんなキリングフィールドで、哀れな転倒者が居たら?
頭を、腕を、胸を、脚を砕かれながら、しかし彼は恨む事はしないでしょう。戦場で立ち止まった兵士の運命は決まっている、誰にも文句を言う筋は無い。自らの不明を恥じる事はあるかもしれない。自分の運命を呪うかもしれない。しかし彼は決して、戦友を、恨む事は無い筈です。
では、我々は?そう、彼もまた戦った結果としてそこに居る。ならば敬意をもって彼を踏み抜かねばならない。一片の躊躇も無く轢かねばならない。我々皆が秩序を維持し、全員が定刻に会社へ到着する事をもって彼の弔いは完成する筈なのです・・・


と、いうような妄想を朝の電車でしていたら、近くに立っていた女性が過呼吸! 個人的にエラくタイミング悪いんですけどお姉さん!
電車の中は、まだみんな優しいのよね。