本懐

「中学生の子供が朝の自習時間に読むための小説」をリクエスト頂く。自習時間にエンタメ小説を読んで良いとは・・・まるで天国のような学校ですね。ワタクシ大学合格が決まってから3ヶ月程授業時間に小説を読み続けましたが、そのお陰ですっかり糞虫になってしまいましたよ奥さん。
「固くない小説で、短い話が複数入ったのが良い」との事だったので、意に添う形で何点かオススメ。神林長平をススメたい気持ちを必死で抑える俺でした。
後からスリップで確認しましたが、結局買われたのはこの2点。

ちぐはぐな部品 (角川文庫)

ちぐはぐな部品 (角川文庫)

日本の昔話 (新潮文庫)

日本の昔話 (新潮文庫)

ピュアフル文庫のアンソロも勧めて食い付きは良かったのだけど、テーマが絞られてる所がNGだったのかも。星新一を強プッシュした甲斐があって素直に嬉しい。本当は筒井康隆の『にぎやかな未来』もオススメしたかった*1のだけど、棚に見当たらず断念。心残り。
こういうお問い合わせがあると、書店員って楽しいなぁと思えます。ま、殆ど無いのですが。自分のオススメで平台やエンド台、棚を構築する事は可能だし実際やるけど、こうやってお客様と一対一で会話しながら本をオススメできるのって、書店員冥利に尽きますね。ま、ホントに少ないですけどこういう機会は。
と同時に、こういうリクエストに幅広く、柔軟に、スピーディーに応えられるだけの深い知識がまだまだ足りない事も実感。修行が足りません。最近は手前の好きな本ばっかり読んで、新しいジャンル開拓や「書店員としての商品知識」を深めるための読書をしてないものなぁ・・・

*1:小学生の時に塾のテキストで読んで俺自身ハマった