想像力の翼

書店員はお客様から「全て」を知っている事を期待される。しかし現実には各人で差こそあれ限界というものが存在し、とてもじゃないが期待に応える事は出来ない。自分の担当外書籍もそうだが、CDやゲーム、文房具にファンシーグッズといった他領域の商品ではこの傾向がさらに深まる。
だが今は「機械」を使って「検索」すれば、ほとんどの事には対処可能だ。これは便利だが問題でもある。あたかもAIであるかのように何でもかんでも検索し結果を出力するだけだと、お客様の気分的にどうか?という事だ。だから ーたとえやってる事が全く同じでもー 多少なりとも「人間的な」受け答えをする必要があると思うし、実際そう心がけている。具体的には色々あるが、その一つとしては「ワタクシ知らんので機械に教えてもらいます」というあからさまな態度。これは良くない。
さて、先日カウンターに「これ予約したいのですけど」と一片の紙片を差し出すお客様があった。その紙には下記の文字列が。

テゴマス
みそスープ

「(な、なんだコレは・・・!みそスープ・・・村上龍か?いやアレは既刊だ・・・しかし予約を取寄せの意で用いるお客様は多い・・・だがそれだと「テゴマス」の意味が通じない・・・韓流系か?テゴマスってハングルっぽい響きだしな・・・だが「みそスープ」は100%和風な響きだぞ・・・意味不明な名称と言えば先ずCDだ。だが仮にCDで無い場合、アーティスト/タイトルで2回検索失敗のロスタイムは長い・・・リスクがデカ過ぎる・・・それに「客先脳内誤変換」の可能性も否定出来んではないか・・・googleという手もあるが・・・やはりこのままではロスタイムが・・・)」
と、ここまで初期東京大学物語的に脳内1秒。結局尋ねてしまいました。

「お客様・・・CDのご予約でしょうか?」
「ハイ!」
「(やっぱCDか・・・ああもう面倒だから全部聞いてしまえ!)」
「スイマセン・・・どっちがタイトルでどっちがアーティスト名でしょうか?
「たぶん・・・みそスープがタイトルだと思います・・・」

ハイやっちゃいました〜。ノーガード戦法発動です。ワーターシーハAIデース。ケーンーサークーキーヲドウゾー。この全身から漲る負け犬オーラを見よ!
調べたらNEWSのバラ売りなのな。年末ビッグタイトルは一覧表で確認しといたハズなんだけどなぁ・・・