回収したいってのは「俺ら」と「あんたら」の勝手だよな?

各所で取り上げられております『火魅子炎戦記』新刊回収。FAXが届いてました。さてさて。
言うまでも無く、お客様(=読者)が求めているのは舞阪洸の手による小説であり、ゆきやなぎ氏のイラストも含めた「作品」です。基本的に彼らにとって、表4のバーコードがどうなっていようが知った話ではないでしょう。要は作品を購入出来れば良いだけの話。
今回富士見書房が回収を行っているのは「バーコード表記にミスがあった」ため「誤った値段で販売される可能性が高い」からです。逆に言えば「正当な値段で販売されれば良い」という事。
POSレジを使用している以上、バーコードミスであればかなりの確率で「誤った値段」で販売されるでしょう。しかしこれは回避不能な訳では無い。レジで手打ちする等方法はある。ただ実際問題として、レジに携わる全ての人間に、作品のタイトルと表紙を覚えさせて都度対応を図ることは極めて困難である。だからこそ回収するという、富士見書房の考え方は理解できます。また「たとえバーコードと言えども、ミスのあった商品は不良品なので回収し、手直ししたい」というのも、心情的に理解はできます。
しかし、問題はその後の対応です。新刊を回収するが、代わりの商品や代わりのカバー、或は訂正シールを送る訳では無い。品切と考えて追加発注せよ、しかし満数を保証する訳ではない。無為にお客様を待たせた挙句、本来なら手に入ったものが入手出来ない可能性もある。これが誠実な対応と言えるのでしょうか?あんたらの事情と本屋の事情だけ見て、肝心の読者を見ていないのではないですか?
明日出社して伝票を確認しなければわかりませんが、恐らく書店へは「正しい値段」で請求されているでしょう。つまり、誤った値段で販売しても書店が損するだけの話だ。折角ご親切に案内下さって申し訳ないですけど、こっちのリスクはこっちで管理させてもらいます。悪いけど勝手にやらせてもらいますよ。