世田谷一家殺人事件

あまりの衝撃に、先に読了している数点を飛ばしてレビューします。
世田谷一家殺人事件が発生したのは2000年12月30日から翌大晦日にかけて。丁度その当時、私的な理由で相当浮ついていたので報道を殆ど頭に入れてない状態でしたが、それでも記憶の片隅に残っています。ご記憶に無い方は「世田谷一家殺害事件 - Wikipedia」あたりを参照下さい。リンク先に書かれている事柄だけでも、十分興味が沸くと思います。
読了し、戦慄しました。もちろんこの本は一ジャーナリストによって記されたもので、その信頼性は読者の判断に委ねられるものです。しかし、もしここに書かれている事が、大筋で真実であったなら。今日のご時世「ニッポンは平和」と盲信している方はあまりいないと思いますが、しかし「我々全てが、明日にも、一家揃って惨殺される危険性が、十分にある」と認識している方も、そう多く無いと思います。私もそうでした。どこか他人事、テレビの向こうの世界だと。
様々な問題が炙りだされます。しかし読み進めるうちに、それは「根本的に根絶することが不可能である」と感じました。我々は、我々自身の手で、自らを守らねばならない。それは防犯の基礎的な部分を、過剰とも思える程徹底しなければ不可能でしょう。
同時に。本書で明るみとなる、ある特定の属性を持った人達。本書の影響として、そういう属性の人に対する偏見を助長する危険性、これが最も恐ろしいと思います。その「目」が、犯罪の引き金の一端であるのですから。冷静な目で見て頂きたい書籍です。
#しかし、よくこれを出版する気になったものだ。著者・出版関係者の無事を祈ります。

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白