ちぇりあい

ここまで下らねぇ小説を読んだのは久し振り。もうテーマとか文体とか発想とか設定とか、随所に盛り込まれるパロディとか、全てが馬鹿馬鹿しくてどうしよう。無駄に疾走感(?)があるし。この本はマジメに読んじゃダメです(多分)。著者が我々に伝えたい事・・・とかそういう事は考えない。ただ口を大きく開いてゲラゲラ笑ったりニヤニヤしながら読むのが吉。
バカ小説としては十分面白いのかと問われれば、どうなんでしょう実際の所。もちろんセンスはヌラヌラ光ってるし、文体も好きな人は好きだと思いますが。個人的感想としては「中途半端」。バカバカしさで攻めるなら、もっと突き抜けた表現が欲しい。もっとロケットで突き抜けろ!ハッキリ言って、ヌルいと思います。また「秋葉系デブヲタ童貞」の描き方も、どことなく古典的かつ一面的。リアルな神性ヲタ童貞を描く方向で言うならば、もう少し突っ込んだ観察と表現が必要かと。これじゃあ「電車男に登場するアキバくん」と大差無いですよ。
「ヲタク」や「童貞」ってモノを描くのは、もっと様々な可能性があると思います。童貞を童貞たらしめているモノ、その魂の在り方について。物理的に童貞か非童貞かではなく、その魂の童貞性に関して。それを描き切ったとき、真に世の童貞(含マインド童貞)を感動させ、一般読者に多大なインパクトを与え得ると思うのだけどなぁ。

追記:ネットアイドルに対して「お前ホントは(自己規制)で(自己規制)だから(自己規制)やってんだろ!」とか、思ってても誰も言わない事をサラリと言ってしまう点は高く評価してます。

ちぇりあい―ちぇりーぼーいあいでんてぃてぃ

ちぇりあい―ちぇりーぼーいあいでんてぃてぃ