私感1〜越境するライトノベル

http://novel.no-blog.jp/minkan/さんで連載されている、越境するライトノベル。関係があったり無かったりする私感を書いてみようと思います。
先ず、私個人とライトノベルについて。私のラノベとの出会いは、中学生の頃だったと記憶しています。古本屋で偶然手に取った『ロードス島戦記』のリプレイ本。それまで架空戦記モノやSF・ミステリに染まっていた私にとって、その「ファンタジー的世界観」は大きな衝撃だったと記憶しています。リプレイなので当然TRPGにも興味を持ちましたが、セッションをする仲間も居なかったので、仕方なく小説を読み漁る事に。
私にとって小説とは、「非現実への没入」(世界観が現実的云々ではなく、「今、ここにいる私」以外の存在・時空へのトリップ)に他なりませんでした。つまり私にとってのラノベとは、「ファンタジー世界へトリップするための装置」だった訳です。そういう意味では、私の中でラノベはSFや架空戦記等と同列に扱われていたと感じます。
TRPGをプレイしつつ、ラノベを読み続けた高校時代でしたが、大学へ入った頃にはすっかりラノベを読まなくなっていました。それは単に「飽きたから」。お腹いっぱい、みたいな。そもそも大学時代は本以外への興味が大きく、読書は村上春樹の再読と神林長平くらいのもの。書店でラノベを見ても「懐かしいな」くらいの事しか感じませんでした。
そして現在、書店員の私。仕事面では取り扱い商品として接していますが、実際に興味を持って読み始めたのは、一般書籍や早川SFへ「越境」してきたラノベ作家群です。そこから再び興味が膨らみ、ラノベレーベルにも手を伸ばす形に。こうして考えると、私は「越境作家の触手に囚われた、元ラノベファン」なんですね。この文章を書いてて初めて気付きました。
長くなったので分けます。