どんぶり感情

取次の支店営業担当が来社。4月から担当が変わったのだけど、新しい人は仕事が確実で嬉しい。
確保が難しそうな本でも割とキッチリ手配してくれるし、版元への交渉も迅速かつ確実。こういう人とは良い関係を維持して行きたいものです。
ただ、委託に支えられている書店業界特有の習慣でしょうか、いささか“どんぶり勘定”的な部分があるのは相変わらず。私の手が空くまでの間、売場を見て回って足りなそうな商品のリストアップ&発注数を控えてくれたのは大変助かるのですが、その数が問題。新刊(ホットギミック 11)の減り具合を見て、彼が手配しようとした数は20冊。前巻の総売数は43冊。今の売れ数と在庫状況、新刊期以降の推移から判断するに、仮に不足したとしても盆空け以降、それも追加数はせいぜい7冊が良い所。20も入ったら確実に余る。「返品率が高い」って日頃から言ってるのはアンタじゃん・・・
「返せるのだから問題無い。それより在庫切れで販売機会損失のほうが痛い」って考え方はある意味正しいですけど、結局返品率が高くなれば配本は減らされるので、将来的に見たらマイナスです。そうやって過剰発注を行う結果、版元も刷り部数を減らす方向に動いてしまうわけですし。何より返品が出来ると言っても、在庫に対して金利は発生するし、返品そのものにも銭がかかります。
まあしかし、日頃から「足りねえよ足りねえよフザケンナ!」なんて言われてる彼の身になって考えると、わからなくはないです。今は各小売店の売上げデータがオンラインで把握できるし、コミックはかなり厳密に売り上げ予測が可能な商品ですから、取次と版元でもう少し「適正配本」ってのを実現できないのかなと思います。
版元・取次・書店の利害が一致してないのが問題か。ただ、三者とも先ず考えるべきは「求めるお客さまに本をお届けする」という一点に尽きるのですけどね・・・
以上、本日のチラシの裏