サマーウォーズ

厚生年金会館で試写を観たので。ネタバレ対策記法。


試写会場が超満員の盛況ぶり。俺みたいな糞臭アニヲタからオサレ女子、お婆さんからジャリまでという幅広い客が集まっていました。プロモーション大成功ですね。


世界的な犯罪・人類の危機というものを強引に「家族内(親戚)の問題」に置き換える本作ですが、単なる家族愛賛歌に堕していないのが素晴らしい。人と人との”繋がり”こそが問題を乗り越える、スケールは問題では無いという所が、家族の輪とネットの輪を上手く対比して語られます。


CUTのインタビューで細田監督から「某作品(エヴァ)なんて同じ事を繰り返してキャラクタービジネスやってるだけじゃん」的な発言があった記憶が。でも、エヴァの新劇場版”破”を観て、これまで庵野監督の語ったエヴァと対比してみると、もしかしたら彼が最終的に目指す所っていうのは、実は今回細田監督が描いた事とそう離れていない、極めて近い領域にあるのではないだろうかと思ったり。


しかし、万人に伝わる形で今回のテーマを描ききった細田監督は純粋に凄い。試写会上映後、幅広いお客さんが皆、笑顔だったのが印象的です。second life みたいな仮想世界が登場したり、そもそも世界的な脅威ってのがネットに触れていない人には直感的にわかり辛い表現だったりするのですが、構成で何ら問題なく楽しめるようになっていました。笑うべき所でキッチリ客席から笑いがある。これは素晴らしい。


この映画の不思議な所として、「何でもないシーン」で涙がこみ上げてくるという点があります。親戚みんなで脅威に立ち向かう、先ずは「みんなでご飯食べよう」。今まで蚊帳の外だった人も一緒に食べる。そこで描かれるのは、本当にただの、家庭の食事シーン。でも、そんな映像で涙がガンガンこみ上げてくるんです。「親戚付き合いはこの世で一番ウザイ」と思ってる家系の長男が、泣いてしまう。エヴァは旧劇場版キレイに終わった、自分はある意味これを支えに生きている、そんな人間が、泣いてしまう。これはもう、ぜひ観て体感して欲しい。


もう何度でも観たい映画です。今年の夏はこれ観ないと始まりません。とりあえずもう1回観に行くし、DVDリリースされたら即買いする。今年はホント映画の当たり年ですね。



#一点だけ注文を。高校生の童貞が、好きな先輩の残り湯を前にしたら。飲むだろ普通。それがリアリティってモンだろ。細田監督、あなたはどんなリア充青春を過ごされたのですか?


##もう一点、大いなる誤算を。パソコン少年の佳主馬クンは「実は女の子でしたー」って設定だと思ったので(おにゃのこ声だし...)、彼がアップになるシーンはひたすらタンクトップの隙間を凝視していました。オティンティンもカティンコティンコですよ。もうね、ガッカリ。