ウォンテッド

いやぁ〜素晴らしい。今時マンガでもラノベでも到達出来ない中2病バカ作品。金のかかった圧倒的迫力の戦闘シーンで客席がどよめきますが、そのトーンは「sugeeeeee!!!」じゃなくて「えwwwちょwwwをまwww」。娯楽映画に必要なのはこれだろJK。
とりあえず、鑑賞にあたっての前提・注意事項を置いときますね。

  • 理屈無視のジェノサイドを愉しめ!

ファイトクラブとかマトリックスみたいな映画なんですねコレ。私生活も仕事もグダグダのヘタレ主人公ウェスリー君が、突然モーガン・フリーマンに「オマエには邪気眼があるんだ! アサシンになって暗殺された親父の仇をとれ!」みたいな事を言われて。まぁモーガン・フリーマンが言うなら仕方ない。実際やってみたらホントに出来たし俺スゲー! みたいな。
なにせ邪気眼ですから、鉄砲撃てば弾道は曲げられるし、空中にブッ飛んだ車の中からターゲットを狙撃するとかも朝メシ前なんですね。そんなチートキャラと化したウェスリー君は「一人殺せば結果的に千人救う事になるかもしれないし!」とか、イミフな言い訳で暗殺を繰り返す繰り返す。どう見ても中2病妄想なアクションに脳汁ダダ漏れでございます。

  • ドSなアンジーに萌えろ!

この映画で重要なアイテムに「仙豆風呂」(勝手に命名)があります。「風呂に入るとHPが全回復する」ってゆー、とんでもない施設な訳ですが。
これがあるのを幸いとばかりに、モーガン・フリーマンの手下達は、ウェスリー君の「根性を叩き直す」為の壮絶な調教を! 両手を縛られ上でヤンキーに延々と殴られたり、包丁持った屠殺場のオジサンがwith鼻歌で襲いかかって来たり。なかでもヒドイのがアンジーです。彼女は「根性叩き直しプログラム」の為ではなく、ただ単に「イラついたから」という理由でウェスリー君をボコります。メリケンサックで。無表情で。
もうね、凄いサービスシーンですよコレは。ドM属性のある人は絶対見たほうが良い。R−15指定は暴力描写云々じゃなくて、SМ的な意味だと思います。アレ観て目覚めちゃう潜在マゾ中学生とかいるもん多分。

  • 難しいコトは考えずにバカ笑いしろ!

先述したチートアクションとか、暗殺指令を伝える自動織機とか、あからさまなパロディとか、ツッコミ所は山ほどある映画です。でも、この映画はそういうトコロを突付いても面白くない。心を無にして2時間笑い転げてくれってのが監督の意図だと思います。派手な音響に頼る部分も大きい映画だから劇場で見ないとツマランかもしれませんが、ノリ的にはニコ動で観ると盛り上がりそう。そんな映画。
ちなみに新宿プラザ劇場は本作が最後の封切作品ってコトなので、首都圏近郊の方は記念に行っておくのがオススメ。