おおきくなりません

昨日の購入本。どう見てもジャケ買いですってAmazon書影まだですか。鶴拳。

35歳だけど18歳
 僕たちはゆっくりと大人になる……

「本当におおきくならない?」と訊ねると、おじさんは自信をもって、「おおきくなりません」と言った。僕はその夜ヒヨコを枕元において眠る。いつまでもおおきくならないヒヨコと大好きな夏の匂いに包まれて。そして僕は翌日、ヒヨコが冷たく、動かなくなっているのを見るのだ。ヒヨコはおおきくならない。でももう動かない。ふわふわだった体は硬く冷えていた。セミの声が僕の耳の奥でわんわんと反響する。おおきくならないと死んでしまうんだ、と僕は学び、ヒヨコと同じ色のホウセンカの咲き並ぶ庭の隅にそのピンクのヒヨコを埋める。

そのうち感想うp予定。