青年のための読書クラブ

敵は海賊シリーズ」再読を一時中断して他著者新刊へ。今日読み始めて少ししか進んで無いのだけど、この時点で書いておく。
マリア様がみてる」な感じの清楚系女子校*1を舞台とし、淡々とした文章で進む物語。その中で突如現れる「・・・貧乏の匂いがした。すえたドブ板の匂いが。傷んだ果物の匂いが。生きの悪い魚の匂いが。つまりは、貧乏の匂いがしたのだった。」「・・・学園には極めてめずらしい、尻の軽いいわゆるズベ公であったが・・・」なんて容赦の無い形容が素敵すぎてニヤニヤ。
さぁ、この秀才デブスによる愚民支配幻想はどんな血祭りで幕を引くのか?と、舞台が舞台だけにカタストロフィへの期待がバンバンにはち切れんばかりに昂る(どの部位が!?)のだけど、途中で手が止まってしまった。文末の一語が気になるあまりに!
P36、11行目です。

(前略)・・・学園の外ではカラーテレビがばか売れし、学園紛争の煽りで東大入試が中止となり・・・(中略)・・・聖マリアンナ学園はとても静かだった。密閉された乙女の楽園に、ゆっくりと、静かだが大きな波のように、烏丸紅子の年はやってきた。真っ赤な波だ!

ココ。「真っ赤な波だ!」。ここまでの文体から考えて、ここは「真っ赤な波だ。」とか「真っ赤な波であった。」がスンナリ嵌ると感じます。感嘆符によって状況の盛り上げを意図してると見る事も出来るのですが、その後の文章・文体を見ると、特に勢いの繋がりは感じられない。無理矢理に盛り上げる所では無いでしょう。そうすると、ここに感嘆符を置いた著者の意図は何なのか?或はこの表現法は何らかの作品へのオマージュなのか?この1点が気になって先に進めない奇病発生ワクチン至急。俺はあまりこういう病が発生しない人なんで、早めの検査と治療を心がけたい保険適用外現象。

*1:清楚系って言うのかどうか知らんが。俺マリア様小説版読んだ事無いしナー